娘が生きていた最後の日

2009年8月29日

庭の花に水遣りをしていたら 

娘が生きていた最後の姿を見た日の光景が頭に浮かんだ。

あの日の14時頃が生前の娘を見た最後だった。

娘が2度と生きて帰って来ないだなんて、微塵も想像しなかった。

いつも言う『行って来ます』も言わず、

バイクを押しながら 泊まりに来てた同じ定時制高校に通う友達と出かける娘。

どことなく寂しそうに見えたのに声を掛けてやる事もせず、

愛猫を抱いて黙って窓から娘の姿を眺めていた私。

それがあの子の最後の姿でした。

その時、妙に脇腹が痛んだ事は鮮明に覚えています。

娘は友人と銭湯に行き、そのまま夕方からの定時制高校に向ったようです。

普段は彼氏か私の車で送迎していたのに 

その日に限って友達をバイクに乗せて登校した娘。

授業が終わり、友達はお母さんが学校近くまで迎えに来たので

娘はひとり、バイクで下校する事に成った寒い夜。

友達を乗せている時の事故で無かった事は救いだけど、

遣る瀬無い気持ちは変わらない。

警察から返された娘のお気に入りの白いダウンジャケットや

グレーのジャージとヘルメットはゴミ袋みたいなのに入れられ、

目を背けたくなるほどに損傷してました。どれ程に痛かった事でしょうか。

お気に入りの赤いヘルメットは 娘の血や細胞が こびりついて固まっていました。

兎に角洗わなくては、、綺麗にしてあげなくては、。

頭の中は空っぽで放心状態だったのに頭を撫でる様に

ヘルメットにお湯をかけて洗い流しました。

心底悔しくて辛い。こんな事は嘘やろ。って今でもお母さんは思う。

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